

【編集後記】
日本人として誇りに思える企業の紹介です。
ちなみにこの動画は、企業案件の広告動画ではありません。
この絶対緩まないナットの開発には世界が驚き、すぐ中国による偽物ナットが出ましたが大損害を出してしまったというエピソードもあるそうです。
日本の安全に対する熱い想いと責任感や使命感が形になった典型的な技術であり、人の命などになんの価値もなく儲かればいいという中国の文化との差がよく理解できる話だと思います。
こういった企業は、日本にはたくさんあると思いますが、それが日本人としての誇りです。
こういったことを学校で子供たちに教えるべきです。
【以下、文字起こし】
みなさんこんにちは。好奇心TVです。
今回取り上げるちょこっと日本自慢は、絶対緩まないナットを独自開発して50年。
世界中の安全に貢献している日本の企業があるということを知っていただきたく動画を作成しました。
その企業とは、大阪に本社を構えるハードロック工業株式会社です。
業界人でなくてもその企業による偉業については知っている方も多いかと思いますが、それでもまだ知らない方のために、日本人として誇りに思える偉業を再認識していただきたいと思い動画を作成しました。
ぜひ最後までご視聴ください。
このチャンネルでは、日本人であることに誇りを持てるようになる情報を発信しています。
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さて、緩まないナットということをいいましたが、そもそもナットってなんだろうという方のために簡単に説明すると、ナットはボルトと共に使われることが多い部品で、世の中のありとあらゆるところに使われています。
ご覧のような形をしていますが一度は目にしたことがあると思います。
ボルトとナットは締め付ける、緩めるということができるので非常に便利であり、車や電化製品だけでなく、あらゆる分野で部品を止めることに使われています。
ちなみに自動車に使われるネジは1台あたり約1300本から2500本と言われており、16両編成の新幹線などには約2万本使用されていると言われています。
車などの走行機関に関わる部分で使用されるネジが緩むということは危険が伴うので、締め付ける力が指定されており、専用工具で締めることになっている箇所もあります。
なので絶対緩んではいけない部分の対応は溶接をすることが基本となっていますが、交換などの整備を行うために取り外したりしなければならない部品もあったりするので対応が難しいことになるわけです。
そのような安全を守る上で欠かせない緩み止めボルトの製造に全力で向き合ってきたのが、今回紹介するハードロック工業株式会社という企業です。
過去に緩み止め機能を持ったUナットという部品を販売していたことがあり、一定の評価を得ていたわけですが、想定外の振動が発生する削岩機のようなものには効果がなくクレームが発生し、苦境に立たされることになったそうです。
その解決策に悩み続けていた日々の中で、気分転換の散歩で住吉大社に立ち寄った時に、神社の鳥居に目が釘付けになったと言います。
何に釘付けになったかというと、神社の鳥居に使われている楔の部分です。
楔というのは、日本古来からの建築技術で、建造物の肝心な部分が絶対緩まないようにするという先人たちの匠の技なのです。
少し脱線しますが、神社を建てる宮大工というのは釘を全く使用せずに1000年もつ建造物を建てています。
法隆寺の五重塔などに見られる建築物は1000年前後の時を経て現在まで存在しています。現代の高層建築技術もすごいことなのですが、せいぜい50年から100年程度しかもたないことを考えると、先人たちの技術というのは本当にすごいことだと思います。
話を戻すと、この楔という先人たちの技術をナットの緩み止めに応用できないかということで試行錯誤が始まったといいます。
一度締めてもまた緩ませることができるというボルトナットの機能をそのままに、絶対緩まないナットの開発にはかなりの苦労があったと思われますが、ついに1974年(昭和49年)に不可能を可能にするナットの開発に成功しました。
このナットは世界初となった日本の新幹線にも採用されており、日本の新幹線が持つ1964年の開業以来、車両事故に関して無事故無災害という神話を築いたことに寄与したことは言うまでもありません。
この素晴らしい製品はあるきっかけで世界的にも有名になったといいます。
2007年にグレイリッグで起きた脱線事故をきっかけに状況が大きく変わりました。
その事故は分岐器を固定していたナットの緩みにより正しく転換しなかったことで、そこを通過するはずの列車が脱線転覆したというものでした。
この事故を検証したBBCの番組内で「このナットを使っていれば事故を防ぐことができた」とハードロックナットが紹介されたとのことです。
この事故原因であるナットの緩みというのは世界中の悩みの種であり、他にもナットの緩みで大惨事になってしまった事故事例は多数あります。
イギリスでは、2002年にポッターズバー駅構内で脱線事故が発生。
被害状況は7人死亡、76人が重軽傷で、事故原因はポイントのナットの緩みでした。
さらには2007年にもナットの緩みを原因とする事故が起きていました。
実はBBCが2002年の事故の際、日本の絶対に緩まないナットの存在を番組内で紹介していたのです。
そういった背景があって2007年に起きた列車事故を受け、なぜ日本の緩まないナットを使わないのかという声が大きくなって注目を浴びたということです。
こうなると世界中からの注目が一氣に高まり、今現在では
・台湾鉄道の全車両に採用。
・台湾の台北から高雄を結ぶおよそ300kmのレール継ぎ目箇所に400万個使われている。
・100年保証の付いた戸建住宅や低層ビルの鉄骨部分に採用。
・2012年(平成24年)に完成した東京スカイツリーに40万個使用されている。
・米航空宇宙局(NASA)のロケット発射台に採用。
など実績がすごいですよね。
このハードロックナットのそのほかの導入実績も紹介しておきます。
鉄道関係では、車両本体や線路だけでなく、防風柵や案内標識の固定などに使われています。
製鉄、工場関係では、コンテナクレーンの各種連結部分。
建築・土木関係では、高層ビルの免震システムの固定、羽田空港の滑走路。
電力・鉄塔関係では、通信鉄塔の結合部分や風力発電装置。
道路・橋梁関係では、高速道路の案内板、トンネルを掘るシールドマシーン。
建機・重機・農機関係では、油圧ブレーカー。
輸送機器関係では、船のエンジン固定、トラックのシャーシとボディの連結。
産業機械関係では、工場内の天井クレーン、産業ロボットの可動部分。
その他には、ジェットコースターの車輪軸止めなどといったような、緩んだら最悪の事態になるような箇所に使用されています。
緩んでもいいナットなど世の中にはないので、現場作業員の方の点検作業は膨大なものになる中で、絶対緩まないナットの存在はどれだけ私たちの安全保証に貢献しているか計り知れません。
事実、新幹線の運行後点検では2時間以上もかけてボルトナットの緩みや安全機能に異常がないかの作業をしていたのが、ナットの緩みに関しての点検作業が短縮されて他の部位の点検に時間を割くことができるようになったというのは貢献度はかなり高いでしょう。
こうなると、あの国による偽物品が出てこないかという心配が出ると思います。
実際にかつて偽物品を作る企業が2社出現し、偽物品が流通しました。
お得意の見た目だけ同じという代物で、当然ながらそのナットを使用した車両ではナットの緩みが原因で事故が発生しております。
その企業は多額の損害賠償を請求されあえなく倒産という結果になっています。
現在の中国の鉄道車両には、ハードロックナットが使用されているということですから、日本の新幹線を超えたと自慢しても、肝心な部分では日本の技術に頼らないと成り立たないというところが日本人として誇りに感じますね。
このことは先日配信したボールペンのペン先に関する動画でも同じことが言えます。世界一の文房具輸出国である中国ですが、ボールペンのペン先は日本の技術がなくてはならないというお話でした。
ぜひそちらもご視聴いただけたらと思います。
今回取り上げた緩み止めナットに関して、ハードロック工業株式会社を取り上げさせていただきましたが、ナットの緩み止めに関して他にも優れた製品を開発している企業もありますので一部を紹介しておきます。
・株式会社ティ・カトウ
・鍋屋バイテック会社
・株式会社冨士精密
・第一工業株式会社
・紀州ファスナー株式会社
・株式会社モリシタ
・株式会社ネジコ
・ロックファスナー株式会社
・オノウエ株式会社
などがあります。
いかがだったでしょうか。
日本の企業は、創業者、従業員が一丸となって社会に貢献できるよう日々研鑽を重ね、優れた製品を世に送り出しています。
決して私たちの目に触れることはないような部品が多いのですが、確実に私たちはその恩恵を享受しています。
このような企業が日本経済を支えているということを再認識できたのではないでしょうか。
努力を惜しまず、多くの問題に対処して今現在があることは間違いなく、自分たちで研究するよりも他社の技術を盗んで作ればいいというマインドの国、企業、人たちは生き残ることはないと思います。
日本という国が世界最長の国であるというのは、他人を思いやる氣持ちや誠実さ、勤勉さを持った人たちが圧倒的に多いからなのではないでしょうか。
なんでも効率を求めている現代において、今一度原点回帰しなければならないエッセンスがあると感じました。
今後も日本が世界に誇れる部分にフォーカスした情報をシェアしていこうと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします。
最後までご視聴ありがとうございました。
以上で今回の話は終わりとしますが、
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最後までご視聴ありがとうございました。
好奇心TVでした。